消音ピアノの調整

消音ピアノの仕組み

 
 

ストッパーを付けた後に実際の消音ピアノのレットオフ調整を説明します。

ストップ距離

ストッパーの揺れの影響のため、理想的な位置にストッパーを付けることは非常にむずかしいと言わざるを得ません。

確実な消音効果を得るためには、充分なストップ距離の確保が必要となります。

また、このストップ距離に見合ったレットオフ調整を、消音ピアノ用に変更することによります。


最小限のストップ距離は5mmで普通の演奏には音漏れがありませんが、フォルテフォルテッシモ( fff )での演奏は音漏れが起きます。

夜間にかなり強く弾かれる場合はストップ距離を7mm程度まで広げます。

通常3mmのレットオフが6mmに広げられましたので、弊害はアコスティーック演奏時(生ピアノ音を出す時)に今まではジャックが45mmの間押し上げていた力が42mm間だけになるので、若干、力不足となります。

フォルテの演奏は強打の惰性であまり影響はありませんが、ピアノピアニッシモ( ppp )での演奏に支障が出ることがあります。


また、ジャックがバットを持ち上げるのが今までより早く終わるので、鍵盤が少し軽く感じられることがあります。

音色についてはハンマー整形など、音色に関する本質的な箇所に手を加えるわけではありませんので、ピアノの音色が変わることは

ありませんが、タッチ感が変わるための音色の変化が感じられることがあります。

マジックスターのストッパー

ストッパーの揺れが、消音ユニットを取付けた後のピアノタッチに大きな影響があることをご理解いただけたと思います。


マジックスターではストッパーの揺れを最小限に抑えるために下図のように固定されています。

また、全音域にてストップ距離を同一間隔に簡単に調整できるように設計されています。


全音域が同一でない(例えば低音部は5mm、中音部は7mmなど)ストップ調整は後でアコースティック演奏に大変悪い影響を及ぼします。

メーカー別に見ますとマジックスターのように

4カ所をしっかり固定するタイプとは別に

最高音部、最低音部だけが固定され、中音、高音部は

固定されないタイプがあります。(下図)


私共は全音域におきまして、ストッパーがしっかりと固定されるシステムをお勧めします。

ストッパー続きを読む4stopper_4.htmlshapeimage_2_link_0

高音部、乗せているだけのタイプの実例

タイプ別につきましては、取付け

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